通潤橋 [国指定重要文化財]

通潤橋について

about

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通潤橋は、1854年(嘉永7)
四方を河川に囲まれた白糸大地に農業用水を送るため建設された
石造りアーチ水路橋です。

この橋は、通潤用水と呼ばれる水路の一部であり、北側の取入口から橋の上に設置されている凝灰岩製の通水菅を通って、白糸大地のある南側へ水が吹き上がる仕組みになっています。通潤橋を渡った水は白糸大地上の約100haの水田を潤しています。

history

通潤橋誕生話

通潤橋は、1854年(嘉永7年)、四方を河川に囲まれた白糸台地に農業用水を送るために建設された日本最大級の石造りアーチ水路橋で、長さ約76m、高さ約20.2mを誇ります。通潤橋を渡った水は今もなお白糸台地上の約100haの水田を潤しています。2016年4月の熊本地震による橋上部の損傷に加え、2018年5月の豪雨で石垣が崩落するなどの被害を受け、保存修理工事を行ってきましたが、2020年に約4年ぶりに放水が再開することとなりました。

  • その1

    通潤橋はなぜ
    必要だったのでしょう?
    通潤橋は、白糸台地一帯に水を送るために農業用水路(通潤用水)の一部としてつくられた水路橋です。白糸台地(通潤橋史料館から見て右側の高台)は、川が削り取った深い谷に囲まれています。そのため、通潤橋がつくられるまでは湧き水などを利用した農業に限られていました。
  • その2

    そこで
    惣庄屋さんは決意した!
    惣庄屋(現在の町長にあたる)布田保之助は、矢部地域の発展のため、通潤橋のほかにもたくさんの道路や用水路、石橋などをつくりました。 この通潤橋の建設も、保之助が代表となって計画を立て、工事が進められました。
  • その3

    立ちふさがる
    困難の数々!
    通潤橋の高さは白糸台地よりも低い位置にありますが、取入口と吹上口の高低差により通水管の中を流れる水は勢いよく台地へ吹き上がります。この吹き上がる水の力でもこわれない丈夫な通水管をつくるため、石造りの管と継ぎ目に「漆喰」を使う方法がとられています。 こうした通水管の仕組みは、当時「吹上樋」と呼ばれ、水路橋である通潤橋の最も重要な部分です。
  • その4

    全ては人の力がたのみ
    通潤橋の工事は、1852(嘉永5)年12月に開始され、約1年8ヶ月の長い期間をかけて1854(嘉永7・安政元)年8月に完成しました。この間、大工や石工(石工頭は種山石工の宇一)のほか、白糸台地や矢部地域の大勢の人の力で工事が行われました。 また、通潤橋より下流の白糸台地内を流れる用水路は、1855(安政2)年頃に完成しています。
  • その5

    現在も使われている用水路
    通潤橋と用水路の完成により、約100ヘクタールの新しい水田がつくられました。用水路は、現在も白糸台地の農業を支えています。橋の近くには、布田保之助を神様とする布田神社があり、今も地元の人たちに感謝されています。
damage and reconstruction

[2016年4月]熊本地震・[2018年5月]豪雨による
通潤橋の被害と復興

  • 熊本地震の被害状況
  • 熊本地震からの復旧状況
  • 豪雨の被害状況
  • 豪雨からの復旧状況

熊本地震の被害状況

2016年4月14日、16日に発生した平成28年熊本地震※により、橋上に敷設されている通水管の目地から多量の漏水が確認されました。これは、地震により目地に充填されている漆喰が破損したことによるものと推測されます。
また、橋上端に積まれている石材(通称:手摺石)が、地震の振動によりずれが生じて外側にせり出しているほか、通水管の間にある被覆土にも亀裂が確認されています。
※前震:5強、本震:6弱

熊本地震からの復旧状況

2017年4月から修理工事に本格着手し、地震により変形した石垣上端の手摺石(上から2段)の積み直し、漏水が確認される通水管の目地漆喰の詰め直しを実施しました。地震で破損した目地は、通水管の各所で確認され、600m以上に及ぶ目地に漆喰詰めを行いました。この工事期間中には、2000年〜2001年の修理工事以来17年ぶりに橋上の被覆土を掘り上げ、農業用水を通す3列の通水管が姿を現しました。

豪雨の被害状況

2018年5月7日、正午すぎ、熊本地震からの修理工事の完了を目前とする中、未明より降り続いた雨により、右岸上流側(道の駅側)の石垣の一部が崩落しました。崩落した壁石は93石。落石は、通潤橋の手前の土手や橋の下を流れる五老ヶ滝川の中にまで広がりました。通潤橋の歴史のなかで石垣が崩れたのは、初めてのことです。

豪雨からの復旧状況

2018年5月の崩落以後、河川や土手からの石の引き上げ、壁石の元の位置の特定等を行い、2019年4月から工事を進めました。石垣が崩れた後も通水管は原形を留めていましたが、石管の下に積まれている石材の損傷なども確認されたため、崩落部に近い通水管1列の37石を一度取り外した上で、修理を進めました。石垣は、崩落した93石を含む148石を積み直しています。今回の工事では、建造後初めて通水管の下部や石垣の内部の構造が露わになり、用水を通す通水管が変形しないよう、大きな石材でがっちりと組み合わされた状態が明らかになりました。

  • 熊本地震の被害状況
  • 熊本地震からの復旧状況
  • 豪雨の被害状況
  • 豪雨からの復旧状況
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